先ず最初に、感染症の問題です。
上記の流れ図をご覧いただくとわかるように、ペットショップから子犬購入する場合は、ペットショップ以外にも様々な中間業者が存在します。
競り市やブローカーを介する事が主流で、ブリーダーから直接ペットショップへ譲渡されているケースの方が稀なのです。
競り市や卸店(ブローカー)などには、色々なブリーダー(中には悪質ブリーダーも)から大量の子犬が持ち込まれます。ある大規模競り市では、一日に300頭〜400頭が取引されるそうです。
その中に、もし感染症にかかっている子犬がいたら...。
当然、子犬達はワクチンも接種しておらず、全く無防備の状態の可能性が高いです。
もう答えはお解かりですね。
ワクチンも未だ効かない時期の子犬を、集めて接触させる!と言うこと自体が大変危険なことなのです。
感染症には潜伏期間があって、菌を保有したまま、まだ発症していない事があります。ですから仕入れた時は元気でも、ペットショップ内で、または飼い主さんにお渡し後に発症する事もあります。
感染症を持っていることが解らずに仕入れてしまった子犬がたった1頭でもいたら。。。
ペットショップの他の子犬にも感染する可能性が高く、子犬達が次々と亡くなっていく姿を目の当りにする事になります。本当に恐ろしい限りです。
一方ブリーダー直販では、お客様にお迎えいただく直前まで、しっかりと無菌に保たれた犬舎で、親・兄妹と一緒に暮らしているのですから、感染症のリスクは極めて低いと言えます。
感染症についてはブリーダー直販が、はるかに安心と言えるでしょう。
次に、子犬の社会化期を無視した、早期の流通の問題です。
ペットショップで販売される場合は、その多くは競り市(オークション)を経由しており、しかも、売れ残りを防ぐために
生後60日未満で店頭に陳列される割合が80%にまで及んでいます。
と言う事は、ほとんどの子犬が、生後50日程で親兄妹と引き離されているという事なります。
子犬にとって犬との付き合いや、人間との関わりを学ぶ「社会化期(生後3週〜8週)」という大切な期間があります。
親犬から母乳をもらい、兄弟犬と遊ぶことにより、犬との付き合いを学び、ブリーダーさんから人間に慣れることを覚える、大切な自然学習期間です。
この大切な期間を親兄妹と過ごせず、ストレスの掛かるショーウィンドウで暮らす事により、しつけしづらい(「問題行動」を起こしがちな)子になり、捨て犬を生む要因にもなります。
反面ブリーダー直販では、お迎え当日まで親・兄妹と一緒に、しっかりと社会化期を過ごした、心身共に健康なワンちゃんをお迎えいただく事ができます。お迎え時期の理想は生後56日以降となります。
子犬の心身の状態についても、ブリーダー直販の方が、はるかに安心と言えるでしょう。
このように、ペットショップでの子犬の陳列販売は、子犬たちにとって何一つ良いことが無いばかりか、最悪のケースでは子犬の命を奪い、さらには、飼い主の皆さんに悲しみや苦しみを与えてしまうことにも、なりかねない仕組みなのです。
日本でも、動物愛護改正が進められていますが、一日も早く欧米並みに整備され、陳列販売が無くなる事を切に願っております。 |